【1月19日 AFP】香港の民主派デモの主要拠点となっていた金鐘(アドミラルティ、Admiralty)地区の壁にチョークで花の絵を描いたとして当局に拘束され、「児童保護令」の適用が検討されていた14歳の少女が19日、家族の元にとどまることを裁判所に許可された。

 現地では「チョーク少女」として報じられているこの少女は、民主派支持のメッセージを書いた紙が多数貼られたことで有名になった金鐘地区の「レノン・ウォール(Lennon Wall)」に落書きをして当局に拘束され、児童施設へ送られた。

 少女は外出禁止を条件に保釈され、父親の元へ帰ることを許可された。

 香港では、完全な自由選挙による次期行政長官選挙の実施を求め2か月に及んだ民主派のデモが、当局による拠点の強制排除によって幕を閉じた後に、デモの参加者や民主派の目立つ人物を当局が弾圧しているという非難が巻き起こっている。少女の拘束もそうした懸念を強めていた。

 警察はまた、11月のデモ拠点撤去の際に拘束した別の14歳の少年についても、児童保護令の適用を検討していた。

 デモ終結後、これまでに香港大学生連合会(学連、Hong Kong Federation of StudentsHKFS)の周永康(アレックス・チョウ、Alex Chow)代表が拘束された他、メディア実業家の黎智英(ジミー・ライ、Jimmy Lai)氏や、民主派デモを呼び掛けた市民グループ「オキュパイ・セントラル(Occupy Central、中環を占拠せよ)」の共同発起人3人も今週、警察への出頭を命じられている。(c)AFP