【1月16日 AFP】2014年に中国で報告された新規HIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染者とAIDS(エイズ、後天性免疫不全症候群)患者は10万4000人だったと国営メディアが16日、報じた。人口におけるHIV感染者およびAIDS患者の割合は比較的少ないものの、感染の拡大が懸念される。

 京華時報(Beijing Times)が中国保健当局者の話として伝えたところによると、14年の新規HIV感染者とAIDS患者数は前年比で14%増加した。

 国営メディアは先月、国内のHIV感染者とAIDS患者は約50万人で人口の0.04%にも満たないと報じたが、診断を受けていない潜在的な感染者や患者が数十万人いるとみられる。

 中国では依然として学校や病院、職場などでHIV感染者に対する差別があり、医療機関の受診や治療を受ける妨げになっていると専門家らは指摘する。

 中国の2013年の統計は国連合同エイズ計画(UNAIDS)のウェブサイトに掲載されていないが、2012年のUNAIDS報告は中国のHIV/AIDS報告数は世界平均と比べて「低い」ままで、2011年に新たに診断された感染者・患者は3万9000人だったとしている。

 中国疾病予防管理センターの性病・エイズ予防管理センター(National Center for AIDS/STD Control and Prevention)は昨年、国内人口13億6000万人のうち81万人がHIVに感染しているかAIDSを発症しているとの推計を発表。この推計には未診断者も含まれている。

 中国当局者らによると、HIV感染またはAIDS発症の増加率は、社会の主流から排除されがちな男性同性愛者と男性の性産業従事者の間で特に高くなっている。(c)AFP