【1月15日 AFP】ス・ヒョンウンさん(19)が母親に初めてのタトゥーを見せたとき、母親は大泣きしたという。

「母はぼくがどうしてそんなことを自分の体にしたいのか、理解できなかったんだ」とスさんは笑う。「でも今はもう、母もかなり受け入れたよ」

 かつてはほぼ犯罪組織の構成員とのみ関連付けられていたタトゥーだが、韓国では近年、その人気が高まっている。最近では、スポーツ選手やKポップ歌手などの有名人がタトゥーを入れるようになり、韓国の主流の文化になりつつある。

 だが時代の変化に法整備が遅れ、韓国のタトゥー・アーティストは常に気まぐれな当局による取り締まりの危険性にさらされている。韓国ではタトゥーは違法ではないものの、資格を持った医師による施術しか認められていない。

 5年前、タトゥー・アーティストのジョンさんの店が抜き打ち検査され、ジョンさんは罰金3000ドル(約35万円)と執行猶予付き懲役1年の有罪判決を言い渡された。

 だが、散発的な摘発にもかかわらず、タトゥースタジオの数は増加の一途をたどっている。ソウル(Seoul)の梨泰院(Itaewon)のタトゥー店「マーベリック(Maverick)」など、一部の店舗は大胆にもネオンの看板を外に掲げている。

 シェフのフランシス・キムさん(31)は、自分のタトゥーに対して今も評価が分かれると語る。「若者たちからはよく称賛されるけれど、年配の人々からは、まるでギャング団の一員か、社会不適合の負け犬かのように見られる」とキムさんは述べた。(c)AFP/Giles HEWITT