【1月15日 AFP】「ここにはシャルリーある?」──仏パリ(Paris)市内の各所にある新聞売店には14日、イスラム過激派の男らによって多数の編集スタッフが殺害された風刺週刊紙シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)の事件後初の最新号を求め、息を切らしながらこう尋ねる客がひっきりなしに訪れた。

 パリをはじめフランス全土の店舗では、「生存者号」と銘打ったこの特別号が発売からわずか数分で売り切れ、多くの人々が肩を落としていた。

 医師のカトリーヌ・ボニファスさん(58)は、数件の売店をあたってみた後、パリ東部にある店舗を訪れたが、この店では150部全てが10分足らずで売り切れたと店員から伝えられた。同紙を毎週購入する読者ではないというボニファスさんは、「少しがっかりした。今週号は、彼らの不屈の精神を表す象徴的なもの。彼らは(テロを)前にしても屈しなかった」と語った。

 研究者のピエール・アスランさんと友人で俳優のエリクさんは、3店舗にあたってみたところで断念した。「明日また探してみるよ」とアスランさん。すると、大急ぎで地下鉄の駅に向かっていた若い女性から、「ここにシャルリーあった?」と声をかけられた。2人が声を揃えて「ないよ」と答えると、女性は残念そうな声を上げて、急ぎ足で立ち去った。

 ツイッター(Twitter)上では、最新号を手に入れることのできた幸運な人々が、ハッシュタグ「#JaiMonCharlie(私はシャルリーを持っている)」を付けたメッセージを次々と投稿。また競売サイトのイーベイ(eBay)では、特別号が数千ユーロ(数十万円)で取り引きされており、中には手持ちの1部を1万5000ユーロ(約207万円)で出品した人もいる。