【1月15日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王は13日、スリランカに到着し、アジア歴訪を開始した。翌14日には同国の主要都市コロンボ(Colombo)で、17世紀の宣教師ジョセフ・ワーズ(Joseph Vaz)を同国初の聖人とする列聖式を主宰。地元警察によると、同市の公開儀式としては過去最多の推定100万人が参列した。

 ワーズは、オランダの植民地だった当時のスリランカで、カトリック聖職者の島への立ち入りが禁じられていた中、物乞いに扮(ふん)して村から村へと宣教活動を行った人物。スリランカ訪問の主な目的を内戦後の国民の和解としている法王は、コロンボでの説教で、困窮した人たちにその人の信仰にかかわらず助けの手を差しのべたワーズは「和平のため宗教的な分断を超えることの重要さ」を示したと語った。

 スリランカの人口2000万人余りの大半は仏教徒で、カトリック教徒はわずか6%だが、カトリック教会は少数派タミル人と多数派シンハリ人の双方に信者を持っていることから、人々を統合させる力を持っているとみられている。

 法王はスリランカの次に、アジア一のカトリック教徒人口を持つフィリピンを15日から訪問する予定。(c)AFP/Jean-Louis DE LA VAISSIERE, Claire COZENS