【1月12日 AFP】台湾は11日、数日前のニワトリ12万羽の殺処分の原因となった鳥インフルエンザの流行を食い止めるため、さらに合計1万6000羽のガチョウとカモの殺処分命令を出した。

 当局は9日、台湾南部屏東(Pingtung)県の養鶏場で行われたサンプル試験で、低病原性鳥インフルエンザの一種であるH5N2型の陽性反応が確認されたことを受け、同養鶏場のニワトリの殺処分を命じた。

 当局は11日、H5N2型の新たな変異株とH5N8型のウイルスが検出されたことを受け、屏東県にある飼育場のカモ7500羽と、同じく南部の雲林(Yunlin)県と嘉義県(Chiayi)県の2県にある5か所の飼育場のガチョウ8500羽の殺処分命令を出した。また、ガチョウとカモの飼育場の多くに対しては、家禽類と野生の鳥との接触が起きないよう防護網の補強も要請された。

 台湾・動植物防疫検疫局(Bureau of Animal and Plant Health Inspection and QuarantineBAPHIQ)の張淑賢(Chang Su-san)局長は、記者団に「この(H5N8)型が台湾で発見されたのは今回が初めてだ。これは渡り鳥によって台湾に運ばれた可能性が高いと思われる」と語った。

 H5N8型鳥インフルは、これまでに欧州、韓国、日本、カナダ、米国などの国々で流行し、家禽(かきん)類の殺処分が行われてきた。

 台湾では、この数年でH5N2型鳥インフルの流行が数回報告されている。

 だが同国ではこれまで、致死率が高いH5N1型鳥インフルエンザについて報告されている症例はない。当局によると2005年と2012年に、中国から密輸されたペット用の鳥の検査で同型の陽性反応が出ているが、すべて殺処分となっている。(c)AFP