フランス検察当局のフランソワ・モラン(Francois Molins)検事正によると、ブーメディンヌ容疑者とシェリフ容疑者の妻のイザナ・ハミド(Izzana Hamyd)さんは「絶えず持続的に」連絡を取り合い、昨年の通話回数は「500回を超えていた」という。ハミドさんは7日に拘束されたが10日に釈放された。

 ブーメディンヌ容疑者は6歳で母親を亡くし、配達員をしていた父親に養育能力がなかったため、一家の他の子ども6人とともに里親に育てられた。クリバリ容疑者とは2009年にイスラム教のしきたりに従って「結婚」したものの、先に非宗教の民事結婚式を挙げなかったため、2人の婚姻関係はフランスで法的に認知されていない。2人はパリの南に位置する低所得層居住区の質素な集合住宅で生活し、クリバリ容疑者が昨年5月に刑務所を釈放されてから再び同居していた。

 仏大衆紙パリジャン(Le Parisien)によると、ブーメディンヌ容疑者はイスラム教徒の女性が着用する全身を隠す装束「ニカブ」を着用すると主張したためレジ係の仕事を解雇されていたという。夕刊紙ルモンド(Le Monde)は、ニカブ姿でクロスボウを構えているブーメディンヌ容疑者の数枚の写真を掲載した。ブーメディンヌ容疑者はクリバリ容疑者に付き添って数回にわたってフランス中南部の森に入り、クロスボウを発射したこともあった。(c)AFP/Marc BURLEIGH