仏人質事件、印刷会社社員が語る「容疑者との握手」
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【1月10日 AFP】印刷会社の営業担当者ディディエ(Didier)さんにとって、9日にパリ(Paris)郊外の社内で行うはずだった取引先との退屈な会議は、大事件に発展した。
ディディエさんは、7日にパリで起きた風刺週刊紙シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)本社襲撃事件の容疑者でフランスの最重要指名手配犯だった男と握手をしたという。
パリから北に向かって車で30分ほどの距離にあるダマルタンアンゴエル(Dammartin-en-Goele)にある印刷会社CTDの小さな事務所に立てこもった容疑者の1人と向き合った時のことについて、ディディエさんは仏ラジオ局フランス・アンフォ(France Info)に次のように語った。
「私が事務所に着くと、得意先のミシェル(Michel)が武装した男と一緒に出てきた。男は警官だと名乗ったが、ミシェルがここを出ろと言ったので、私は外に出た。ドアの前でミシェルとテロリストの1人と握手をした」
黒い服と防弾チョッキを身に着けた容疑者は、カラシニコフ銃を手にしているように見えたという。そしてディディエさんに対し、「出ていけ。どのみち一般市民を殺す気はない」と言った。ディディエさんはその言葉を聞いて衝撃を受け、警察に通報することにした。「あれはテロリストの1人だったと思う」
顔を合わせたときには、男がテロリストだとは分からなかったというディディエさんは、男が「市民は殺さない」と言わなかったら、警官だと思っていたかもしれないと付け加えた。警察特殊部隊の隊員のような重武装をしていたからだ。
ディディエさんは、「何か異常なことが起きているということしか分からなかった。今朝の私は本当に幸運だった。同僚たちと会って、その後で宝くじを買いに行くつもりだよ」と話した。(c)AFP