【1月9日 AFP】ドイツで8日、勤務先の病院で患者に心臓病の薬を過剰投与して3人を殺害した罪に問われた元看護師の男(38)の裁判が行われ、出廷した鑑定人の精神科医は、男が30人以上を殺害したと認めたと証言した。

 被告は北部オルデンブルク(Oldenburg)近郊にあるデルメンホルスト(Delmenhorst)病院の集中治療室で看護師をしていた2003~05年、抗不整脈薬を注射して患者3人を殺害し、さらに2人を殺害しようとしたとして、殺人罪と殺人未遂で起訴された。オルデンブルクの裁判所で昨年9月から公判が開かれている。

 裁判所によると、8日に証言台に立った精神科医は、最近の鑑定で被告が起訴事実を認めたうえ、他にも90人に薬物を過剰投与し、うち30人を殺害したと告白したと証言した。

 精神科医によると被告は、患者を殺害したのはデルメンホルスト病院に勤務していた当時のみで、それ以前に勤めていた病院や、老人医療施設、救急医療サービスでは1人も殺害していないと主張しているという。

 捜査当局は被告の犯行動機について、故意に患者を危篤状態に至らせて蘇生処置の腕前を披露したいとの理由に加え、退屈しのぎもあったとみている。(c)AFP