【1月5日 AFP】世界経済の先行き不透明感がタブレット端末やスマート家電などのハイテク機器への支出に影響を与え、予測が難しくなっていることが業界の4日の会合で明らかになった。

 米ラスベガス(Las Vegas)で開催される世界最大級の家電見本市「国際コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(International Consumer Electronics ShowCES)」の報道陣向けプレビューで公開されたデータによると、2014年のハイテク機器への支出は、わずか1%増の1兆240億ドル(約123兆円)で、ほぼ横ばいの成長率を記録したことが分かった。

 同見本市を主催する米家電協会(Consumer Electronics AssociationCEA)のアナリスト、スティーブ・コーニグ(Steve Koenig)氏は、全世界の経済状況からは、2015年の見通しはなかなか立てられないと語る。

 同氏の説明によると、欧州圏や日本の景気低迷、そしてブラジルなど巨大新興国への「弱い期待感」が、先行き不透明の要因だという。

 CEAは、欧州と中南米地域でハイテク機器への支出が約5%減少すると予想。この穴をその他の国で補えるかは不確かだとしている。

 コーニグ氏によれば、スマートフォンやタブレット端末の販売は、中国などの新興経済国で堅調に伸びており、また超高解像度モデルの登場でテレビの需要も順調のようだ。

 ただ一方では、モバイル端末の価格低下が、支出を頭打ちにする要因にもなっているという。CEAの予想では、スマートフォンの販売は今年、19%増の15億台になると見込まれているが、収益は価格の下落により9%増の約4067億ドル(約49兆円)程度になるとみられる。

 コーニグ氏は、タブレット端末の2015年の販売成長率は約20%になると予想しているが、収益は約8%減の610億9000万ドル(約7兆3500億円)にとどまるとしている。(c)AFP