ロマ人女児の埋葬を市長が拒否か、フランス全土に怒り広がる
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【1月5日 AFP】フランス・パリ(Paris)近郊のシャンプラン(Champlan)で、少数民族ロマ人の赤ちゃんの亡きがらを市営墓地に埋葬することを拒否したとして、保守派の市長が人種差別だと批判されている。市長は発言が誤解されたと弁明したが、怒りの声はフランス全土に広がり、行政監察官が調査を開始した。
パリの南方23キロほどにあるシャンプランのクリスチャン・ルクレール(Christian Leclerc)市長は、「空き区画がほとんどない」との理由で、昨年末に死亡した生後およそ2か月のロマ人女児を市営墓地に埋葬することを拒否したとされる。仏大衆紙パリジャン(Le Parisien)は3日、ルクレール市長は「地方税の納税者を優先するべきだ」と述べたと伝えた。
これに対し、埋葬拒否の真の理由はロマ人差別に基づくものだとの批判が巻き起こった。
地元のロマ支援団体は「人種差別であり、外国人嫌悪であり、らく印を押す行為だ」と市長を強く非難。仏政府のロランス・ロシニョル(Laurence Rossignol)家族担当相もマイクロブログのツイッター(Twitter)に、埋葬拒否は「非人道的な屈辱」を女児の遺族に与えたと批判するコメントを、フランス語で「恥」「面汚し」を意味する「#honte」のハッシュタグを付けて投稿した。
批判を受けてルクレール市長は4日、AFPの取材に、発言が「文脈から切り離されて伝わった」と釈明。自分は「誤解」の犠牲になったとして「埋葬を拒否したことは断じてない。話に尾ひれが付いて広がっている」と主張し、騒動が大きくなったことを「たいへん遺憾だ」と述べた。