【1月5日 AFP】エジプト考古省は4日、これまでその存在についてあまり知られていなかった王妃の墓が、チェコの考古学者チームによって発掘されたことを発表した。この墓は、4500年前に古代エジプトを統治したネフェルエフラー(Neferefre)王の王妃のものと考えられるという。

 この墓は、エジプトの首都カイロ(Cairo)南西の都市アブシル(Abu Sir)で見つかった。同地には、ネフェルエフラー王を含む古代エジプト第5王朝(紀元前2494年~2345年)の王たちが埋葬されたピラミッド群がある。

 ネフェルエフラー王の妻の名前は、この発見がなされるまで不明だったと、同国のマムドゥーフ・ダマティ(Mamdouh al-Damati)考古相は声明で指摘している。

 同考古相は、王妃の名前が「ケンタカウエス(Khentakawess)」と判明したとしながら、「墓が発見されるまで不明だったこの王妃の名前が初めて明らかになった」と述べている。

 これまでに同名の先代2人の存在が確認されているため、この王妃は「ケンタカウエス三世」になると思われる。

 ダマティ考古相によると、ケンタカウエス三世の名前と身分は、墓の内壁に刻み込まれていた。墓の建設者らが刻んだものとみられるという。

 同考古相はまた「第4王朝とともに、最初のピラミッド群が建設された時代とされる第5王朝に関する未知の側面を解明する助けとなるに違いない」と今回の発見について語っている。

 発見したチェコ・エジプト学研究所(Czech Institute of Egyptology)の発掘調査隊を率いるミロスラフ・バルタ(Miroslav Barta)氏によると、ケンタカウエス三世の墓はネフェルエフラー王の葬祭殿群内で見つかったとされる。

 同氏は声明で「この事実からネフェルエフラー王の王妃と考えられる」と説明している。

 考古省当局者によると、今回発見された墓は古代エジプト第5王朝中期の時代のものだという。さらに声明によると、考古学者チームは副葬品を約30個発見、うち24個は石灰石製で、4個は銅製だという。(c)AFP