【1月2日 AFP】1日に中国上海(Shanghai)市の外灘(バンド、Bund)で新年祝賀行事の際に起きた将棋倒しによる死者は、2日までに少なくとも36人に上った。警察幹部の1人は、過去の行事よりも少数の態勢で警備にあたっていたことを認める発言をしている。

 紙幣に似せた金券がビルから撒かれ群衆が殺到したという目撃者もいるが、それよりも人出が多すぎたのが主な原因だという声もある。習近平(Xi Jinping)国家主席は即刻、捜査を要請した。

 将棋倒しは新年を祝おうと多くの人々が外灘に詰めかけていた中、1日午前0時を迎える直前に川沿いの遊歩道につながる大階段を中心に発生した。

 国営新華社(Xinhua)通信はいつになく批判的な論調で、この悲劇は「世界第2位の経済大国が、いまだに脆弱な社会的管理能力しか持たない途上国だという警告である」と述べた。

 政府系の現地ニュースサイト「Eastday.com」は1日、上海警察の警備当局幹部の蔡立新(Cai Lixin)氏が、過去の行事よりも警官の配備が少なかったことを認め「昨日はイベントがなかったため、昨年の国慶節(中国の建国記念日)の際のように多くの人員は配置しなかった」と述べた発言を伝えたが、この談話は後にサイトから削除された。

 上海のテレビは「普段より多い」警官700人を配備していたが、人出は予想より多かったとする当局の見解を伝えている。

 また新華社通信も1日夜の配信で蔡氏の発言を引用し、12月31日午後11時半すぎに陳毅広場(Chen Yi Square)近くの通路が混雑している様子が監視カメラに映ったことを受け、約500人の警官が動員されたと報じた。同氏によれば、警官隊は群衆の中心部に割り込んだが、かなりの人が「身体的に不快」な状態にあったのが分かったという。

 新華社はまた、午後11時半の時点で「異常に増加した」人の流れに対し「効果的に介入できなかったこと」に対し、警察が遺憾の意を表明したと伝えた。(c)AFP/Bill SAVADOVE