【12月31日 AFP】ギリシャ沖のアドリア海(Adriatic Sea)で28日に発生したイタリア船籍のフェリーの火災で、救助された生存者の中に密航者が含まれていたことが判明し、30日までに13人が確認された死者数が今後さらに増える恐れが出ている。

 イタリア沿岸警備隊は30日、11人目の遺体を収容したと発表。さらにフェリーとタグボートをつないでいた綱が切れた際にアルバニア人の船員2人が負傷し、その後死亡したことから、このフェリー火災による死者は合わせて13人になった。

 一方、ギリシャとイタリアの当局は、悪天候の海上で炎に包まれたノーマン・アトランティック(Norman Atlantic)号に何人が乗船していたのか把握できておらず、犠牲者数は不明のままとなっている。今回の惨事の犯罪捜査を担当している検察官は、救助された人の中に密航者が見つかったことで「同船の残骸の中からさらに犠牲者が見つかる可能性がある」と認めている。

 検察官のこの発言は、イタリア海軍が焼けた船内の捜索をまだ完全に行えていないことを示唆している。同船に積載されていた複数のトラックの内部に密航者が隠れていた可能性や、船室内で窒息死や焼死した乗船者がいた恐れも出てきている。

 乗船名簿に記載されていた人のうち、現在も40人近くが行方不明のままとなっているが、火災により焼死したのか、海中で水死したのか、あるいは名簿の記載ミスなのか、いまだ明らかになっていない。(c)AFP/Ljubomir MILASIN and Angus MACKINNON in Rome