【12月30日 AFP】1984年に当時のマーガレット・サッチャー(Margaret Thatcher)英首相(13年に死去)と、後に旧ソ連の最高指導者となるミハイル・ゴルバチョフ(Mikhail Gorbachev)氏の間で行われた初会談に関する機密ファイルを、政府文書の機密指定が30年で解かれる英国法に従い、英国立公文書館(National Archives)が30日に公開した。公開された文書からは、サッチャー首相が当時、ゴルバチョフ氏とならば「ビジネスができる」と宣言した「求愛関係」が垣間見える。

 この年、ゴルバチョフ氏は英国を初めて公式訪問。4か月後に旧ソ連の最高指導者に就任した。ともに東西関係改善を求めていたとされ、サッチャー氏は、ゴルバチョフ氏について「魅力的でユーモアがある人物」だとたたえている。

 ゴルバチョフ氏訪英後、米国のロナルド・レーガン(Ronald Reagan)大統領に宛てた書簡でサッチャー氏は「彼(ゴルバチョフ氏)は比較的オープンで知性的だ。親しみやすくて魅力やユーモアもある。ビジネスができる相手だと確信した。正直、彼のことは嫌いではない」と記している。

 しかしゴルバチョフ氏に対し、好感を示した一方で「鉄の女」の厳しい一面も見せ、「ソ連の人権状況についてなど、わたしが彼にしたような厳しい類いの質問に対しては、明らかに不慣れな様子を見せた」と指摘している。

 また英当局の関係者がゴルバチョフ氏の妻、ライサ夫人の快活さに驚いていたことも明らかになった。ライサ夫人は英王室御用達の宝飾店「マッピン&ウェッブ(Mappin and Webb)」に立ち寄り、ダイヤモンドとルビーがあしらわれた金のイヤリングを購入。華やかな買い物をしたかと思うと、帰国後には、英国の農業相と交わした会話を受け、ベラルーシのジャガイモ料理500種類のレシピが載った料理本を送ってきたという。