【12月30日 AFP】米ロサンゼルス(Los Angeles)で8月に起きた、武器を持っていなかった黒人男性が警官に撃たれ死亡した事件の検視結果がこのたび発表され、男性は背後から至近距離で撃たれていたことが明らかになった。現地紙ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)電子版が29日、検視報告書を公開した。

 報告書によると、8月11日にロサンゼルス南部でパトロール中の警官2人に撃たれ死亡した黒人男性エゼル・フォード(Ezell Ford)さん(当時25)は、背中、腕、腹部と3回撃たれていた。特に背中の傷には銃口の痕が残っており、フォードさんが至近距離から撃たれたことを示しているという。

 精神疾患を患っていたとみられるフォードさんは事件当時、一人で歩道を通行していたとされ、武器も持っていなかったという。ロサンゼルス市警は、警官と争いになったフォードさんが、警官の一人から銃を奪おうとしたと発表しているが、一方のフォードさんの家族や目撃者は、フォードさんに攻撃的な面があったという主張を否定している。

 米国では今年、ニューヨーク(New York)やミズーリ(Missouri)州などで警官が黒人男性を殺害する事件が相次いでおり、各地で大きな抗議行動が起きている。ニューヨークとミズーリ州ファーガソン(Ferguson)の事件では、関与した警官は起訴されていない。(c)AFP