【12月29日 AFP】世界的な著名人たちの最期の瞬間を、においと音で再現する試みが、オランダの科学者チームによって行われている。

 ジョン・F・ケネディ(John F. Kennedy)米大統領の血のにおいに混ざり合った、ジャクリーン(Jacqueline Kennedy)夫人の甘い香水の香り。米ビバリーヒルズ(Beverly Hills)のホテルのバスタブで、薬物を摂取した状態だった米歌手ホイットニー・ヒューストン(Whitney Houston)さんが迎えた最期の瞬間──。同国ブレダ(Breda)にあるアバンス応用科学大学(Avans University of Applied Sciences)の科学者チームは、やや不気味ではあるが他では見られないこうした歴史的な一場面を、訪問者は体験することができるとしている。

 同大コミュニケーション・マルチメディアデザイン学部のフレデリク・ドゥエリンク(Frederik Duerinck)氏は、「私たちは皆、JFKの暗殺場面は見たことがある。しかし、どんなにおいがしたのだろうか?」との問いを投げかける。

 その答えを知りたいと思う恐ろしいもの好きの訪問者らは、死体安置所にあるものと同じ銀色の金属製の箱の中に横たわるよう案内される。全部で4つ用意されているこれらの箱の内部は真っ暗で、加圧されたにおい入りボトルとパイプでつながっている。サウンドトラックが流れ、異なるにおいが順番に箱の内部に放出されて、ある特定の人の「最期の瞬間」が再現される仕組みだ。

 見学者らは、その死が世界中の人々の記憶に刻まれている4人、ケネディ米大統領(1963年死去)、英国のダイアナ元妃(Princess Diana)(1997年)、リビアのムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐(2011年)、米歌手ホイットニー・ヒューストンさん(2012年)が死去した際に周りにあったと考えられているにおいや音を、約5分間にわたり追体験することができる。