【12月28日 AFP】スカイ(Sky Pro Cycling)が2年間の隆盛を極めた後、その他のチームによる反撃が見られた2014年の自転車界だったが、アスタナ(Astana Pro Team)のドーピングスキャンダルがこれまでと同じように思い起こされる年になるだろう。

 スカイは、ブラッドリー・ウィギンス(Bradley Wiggins)とクリス・フルーム(Chris Froome)がそれぞれ2012年と13年のツール・ド・フランス(Tour de France)を制し、注目を集めた。しかし、スカイがそのレベルを保つことが出来ず、2014年をスリリングなシーズンに仕立てた。

 主にその恩恵を受けたヴィンセンツォ・ニバリ(Vincenzo Nibali)は、2014ツール・ド・フランス(2014 Tour de France)で度重なるクラッシュの中から抜けだし、優勝を勝ち取った。今大会では、元王者のフルームやアルベルト・コンタドール(Alberto Contador)、アンディ・シュレク(Andy Schleck)がクラッシュし、大会10日目を前にリタイアしていた。

 第97回ジロ・デ・イタリア(2014 Giro d'Italia)ではナイロ・キンタナ(Nairo Quintana)が優勝を飾り、第69回ブエルタ・ア・エスパーニャ(69th Vuelta a Espana)ではコンタドールがフルームとの激しい戦いを制して自身3度目の優勝を飾るなど、グランツール(三大ツール)はハイレベルな戦いを提供した。

 これが相まって、2015年のツール・ド・フランス(2015 Tour de France)では、フルーム、コンタドール、キンタナ、ニバリという世界最強のステージレーサーたち4人が、パリ(Paris)への道のりでしのぎを削るのではないかと予測されている。

 しかしながら、そのためには、ドーピングスキャンダルが相次いだニバリ擁するアスタナに、国際自転車競技連合(UCI)がワールドツアーライセンスを許可することが条件となる。

 アスタナとリザーブチームのアスタナ・コンチネンタル(Astana Continental)に所属する5選手から、エリスロポエチン(Erythropoietin、EPO)やステロイドが検出されたため、UCIはアスタナを追放するのではないかとみられていた。

 しかし、ニバリにとって幸運なことに、2015年を通して監査を受けることを条件に、アスタナはライセンスを認められている。