【12月26日 AFP】トルコで昨年起きた大規模な反政府デモで鎮圧に当たった警察の催涙ガス弾が頭部に直撃して重傷を負い、現在も後遺症に苦しむ17歳の少年に、このほど3か月余りの禁錮刑が言い渡された。地元メディアが25日、報じた。

 ムスタファ・アリ・トンブル(Mustafa Ali Tonbul)君は、昨年5~6月にイスタンブール(Istanbul)のゲジ公園(Gezi Park)で行われていた反政府デモの現場で、頭部に催涙ガスの弾頭の直撃を受け、頭蓋骨の大部分を失った。

 少年裁判所で行われた今回の裁判で、トンブル君はイスタンブールで負傷する2週間前に西部イズミル(Izmir)で行われた別のデモで「警察に抵抗した」罪に問われ、友人4人と共に禁錮3月10日の有罪判決が下された。

 イスタンブールのデモは、ゲジ公園の再開発計画に反対する比較的小規模な環境保護運動として始まり、やがて当時首相だったレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)現大統領の政策傾向が権威主義的だとする全国規模の抗議デモに発展した。強制排除に踏み切った機動隊は、催涙ガスや放水砲を頻繁に使用。混乱の中で8人が死亡、数千人が負傷した。

 イズミル在住のトンブル君は、イスタンブールを訪れた目的はあるコンサートで、ゲジ公園には「興味本位で」様子を見に行ったと主張している。その際、警察によるデモ隊の強制排除が始まり、催涙ガス弾によりトンブル君は頭蓋骨粉砕の重傷を負った。医師らはトンブル君の命を救うため、頭蓋骨の大部分を摘出した。

 トンブル君は数週間にわたり昏睡状態が続き、集中治療室でほぼ1か月を過ごした。入院中に心停止を数回経験し、現在も発作や記憶障害、発話障害などの症状に苦しんでいる。

 トルコ紙ミリエト(Milliyet)によると、トンブル君は「たとえ終身刑を受けようとも」抵抗を続けると誓っており、次のように語ったという。

「こうした判決は予想していたが、僕がしたことは犯罪じゃない。彼らは、こういった判決で僕たちを脅そうとしているんだ。でも、僕は怖くない」 (c)AFP