【12月23日 AFP】2000年のシドニー夏季五輪で、キャシー・フリーマン(Cathy Freeman)さんが聖火を点灯する際に着用し、その後は紛失したか盗難に遭ったとされていたシルバー・ホワイトのボディースーツとみられるものが見つかった。――これにより、オーストラリアのスポーツ界最大の謎の一つが解明したかもしれないと大きな話題になっている。

 シドニー五輪の開会式で、豪先住民アボリジニ出身のフリーマン氏が特注のスーツを身にまとい聖火台に点火した姿は、オーストラリアとの和解の象徴的瞬間とされた。フリーマンさんは陸上競技の女子400メートルで金メダルを獲得し、一躍有名になった。

 しかし、開会式のあとにスーツは更衣室からなくなり、盗まれたか記念品としてどこかに運ばれたか、もしくは清掃員に捨てられたかもしれないという憶測が流れていたが、それが先週になって、スーツが匿名でメルボルン・クリケット・クラブ(Melbourne Cricket ClubMCC)に郵送されてきたという。

 オーストラリア五輪委員会(Australian Olympic CommitteeAOC)は、「メルボルン警察は、キャシー・フリーマンさんが2000年シドニー五輪の開会式で着用したボディースーツとみられる衣服を保持している」と明かした。

「スーツに何が起きたのかは、オーストラリアの五輪史上でも大きな謎として、これまで何度も話題に上っていました」

「われわれはMCCの博物館に送られてきた衣服が本物であり、謎がついに解明されることを期待しています」

 オーストラリア陸上競技連盟(Athletics Australia)は、発見された可能性について素晴らしい結末だとした。

 連盟の広報は、「あの聖火台点灯は、オーストラリアにとって象徴的な瞬間であり、豪スポーツ界の真の王者であるキャサリンが行ったものとして、とても誇らしい出来事となりました」と述べた。

 AOC関係者は、スーツが本物であると確認された場合、その処遇についてはフリーマンさん本人に委ねられるとしている。(c)AFP