【1月3日 AFP】広大な耕地と多くの労働力が必要であるために世界で最も高価なスパイスとされるサフラン。このサフランの栽培が、国際社会からの経済支援が今後減少すると見込まれるアフガニスタンの経済的な生命線となるかもしれない。

 アフガニスタン西部のヘラート(Herat)州にあるサフランの栽培畑では、少女らや年配の女性らが花を摘みながらゆっくりと進んでいく姿が見られる。ここでは325ヘクタールの耕作地に、4000人の女性を含む約6000人がサフラン栽培に従事している。

 労働者らによってプラスチック製の容器に集められた花は、電子計量器に載せられた後、薄紫色の花びら、鮮やかな赤い雌しべの柱頭、淡黄色の雄しべとに慎重に分けられる。これは集中力と熟練した腕が要求される大変な作業だ。

 アフガニスタンのサフランは、インド、欧州、米国、中国へと輸出される。スパイスや香料、染料、さらには伝統薬の材料として世界中で珍重されているサフランの赤い柱頭は、色鮮やかで香りが良く、魔法のようなヒーリング効果を持つとされるサフランティーにも使われる。

 アヘンの原料であり、旧支配勢力タリバン(Taliban)の資金源となっているケシに代わる作物として、さらにはアフガニスタンのぜい弱な経済を支える農産品として大きな可能性を秘めたサフランだが、生産には莫大なコストがかかる上、厳しい冬には全滅してしまうこともある。また、世界のシェアの9割を隣国のイランが握っていることもあり、これが簡単でシンプルな解決策となりにくい側面があることも事実のようだ。(c)AFP