【12月19日 AFP】米宇宙開発企業スペースX(SpaceX)は18日、19日に予定していた無人補給船「ドラゴン(Dragon)」の打ち上げを延期すると発表した。発射台試験中に詳細不明の「問題」が発生したためという。

 スペースXによると、ドラゴン補給船搭載の「ファルコン9(Falcon 9)」ロケットの打ち上げは、来年1月6日以降に延期されるという。

同社は声明で、「新たに打ち上げ日を設定することで、12月16日のファルコン9ロケットの静止燃焼試験で発生した問題をさらに詳細に調査するための時間がスペースXの技術者らにもたらされる」と述べているが、「問題」の具体的内容については触れていない。

 米カリフォルニア(California)州に本拠を置くスペースXは、今回の打ち上げで、ファルコン9ロケットの第1段を海洋上の正確な位置に着水させる初めての試みに挑戦する。第1段は海に落下させるのではなく、浮桟橋の上に降下させる予定だ。

 同社は、ロケットを何度も繰り返し利用できる飛行機のようにすることで、航空宇宙産業に革命をもたらすことを目指している。「ファルコン9の第1段を再突入のために安定化させることは、暴風雨が吹き荒れる中でゴム製ほうきの柄を手のひらに乗せてバランスを取ろうとするようなものだ」「だが今回の試験は、ファルコン9の第1段を完全に再利用可能にすることを最終的に実現する一連の試験の第1弾だ」と同社は声明で述べている。

 今回の打ち上げは、国際宇宙ステーション(International Space StationISS)の宇宙飛行士らに物資を補給するためにスペースXが米航空宇宙局(NASA)と契約した輸送ミッションの5回目にあたる。同社は、打ち上げ延期が輸送される予定の貨物に悪影響を及ぼすことはなく、ISSの食料や生活必需品などの不足を生じさせることもないと説明している。

 1月6日の予定打ち上げ時刻は現地時間の午前6時18分(日本時間同日午後8時18分)で、補給船は1月8日にISSに到着する見通しだ。(c)AFP