【12月19日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は18日、年末恒例の記者会見を開き、欧米が同日新たに科した制裁やルーブル暴落で重圧はあるものの、自身が大統領に就任して以来最悪の経済危機をロシアは近く脱却し、自らの大統領の地位が揺らぐことはないという見解を示した。

 欧米は同日、ウクライナ問題をめぐって制裁を強化。しかしプーチン大統領から、これまでの対ウクライナ政策の転換を示唆する発言は聞かれず、また国内のエリートらが自分に反旗を翻そうとしているという可能性についても一蹴した。

 これまで石油価格が高水準で推移してきたことによる相対的な繁栄により有権者の支持を得てきたプーチン大統領にとって、今回のルーブル暴落はその手腕の試金石になるとみられている。

「確かに安楽な時ではない」と語った同大統領は、石油価格がさらに下落する恐れがあることは認め、世界情勢が最も好ましくない経緯をたどった場合、「現在のような悪い状態が2年間続くこともあり得る」と述べたものの、経済は2年後には回復するという見方を示した。ただそのための具体策については言及しなかった。

■「宮廷革命はない」

 プーチン大統領が欧米と対立していること、また経済状況が悪化していることを受けて、政権の中枢にいる一部の高官らが不満を募らせているという兆候が、ここ数週間浮上してきている。

 これを踏まえ、側近らから退陣に追い込まれる可能性があるかどうかという意味で、「宮廷革命」が起こると思うかという質問がある記者から出たが、「そもそも宮廷がないのだから宮廷革命はあり得ない」とプーチン氏はこれを笑い飛ばした。しかし何より重要な点として、国民の大半は自分を支持してくれていると強調した。(c)AFP/Maria ANTONOVA, Anna SMOLCHENKO