また、ロック演奏用の楽器が備え付けられた小さなステージや、地面からせりあがるプラットホームやストロボライト、ミラーボールを備えた部屋も見つかった。警察によると、この部屋では刑務所外から忍び込んだストリッパーがパフォーマンスを披露していた。

 デリマ法相は16日、記者団に対し、警察による捜索の際、刑務所内で豪華絢爛な生活を送っていた受刑者は、それぞれ200万ペソ(約520万円)の現金を持ち合わせていたと語った。

 マニラに拠点を置く監視団体「Volunteers Against Crime and Corruption」の創立者で、ダンテ・ヒメネス(Dante Jimenez)氏は、現金を持っている受刑者が一夜あるいは週末全体を刑務所の外で過ごすことは珍しくなく、ある受刑者が接待用の特別室で高級娼婦をあてがわれたことさえあったと述べた。一部の州刑務所では、受刑者が外部に出て委託された殺人を実行することもあったという。ヒメネス氏は麻薬ディーラーに兄弟を殺され、このディーラーはビリビッド刑務所で服役している。

 ヒメネス氏ら活動家は、政府はかなり以前から刑務所の実態を知っていたはずなのに、これまで是正に手を付けていなかったと批判した。(c)AFP/Cecil MORELLA