■追跡のための新たな国際基準づくり

 MH370便の失踪は、相互に接続し、高度に監視される現代社会に挑戦を突きつけた。再発を防ぐために航空当局は、追跡のための新たな国際基準を近く発表する見込みだ。これには現在、通常飛行の際には30分おきに行われている機体の位置の報告を、通常飛行の際には15分ごとに、また予定外のルート変更が起きた場合には毎分ごとにすることなどが盛り込まれている。

 MH370便が連続的に追跡されていなかったという事実は「多くの人々に驚きを与えた。しかしそのことによって同様の事態が発生した場合の対応を改善するため、特に事故時の捜索救助活動の編成を向上することを視野に、すべての運航に関する国際監視を設けるというコンセンサスが業界に生まれた」と、国際民間航空機関(International Civil Aviation OrganizationICAO)のレイモンド・ベンジャミン(Raymond Benjamin)事務局長は話す。

 ICAOではまた、国家の枠組みから外れたグループが高度に武装化する時代において、紛争地域上空の飛行に関するリスク評価が適切に行われ、正確に伝えられているかを検証する作業を行っている。これらの提案は、来年2月に行われるICAOの年次総会で発表される予定だという。(c)AFP/Dan Martin