【12月17日 AFP】14クラブW杯(2014 FIFA Club World Cup)は16日、モロッコのラバト(Rabat)で準決勝が行われ、スペインの強豪レアル・マドリード(Real Madrid)が4-0でクルス・アスル(Cruz Azul、メキシコ)を一蹴し、決勝に進出した。

 欧州王者が格の違いを見せつけた。バイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)がラジャ・カサブランカ(Raja Casablanca)に勝利した前回大会決勝と同じ、大歓声が鳴り響く満員のスタッド・ド・マラケシュ(Stade de Marrakech)で、レアルはセルヒオ・ラモス(Sergio Ramos)、カリム・ベンゼマ(Karim Benzema)、ギャレス・ベイル(Gareth Bale)、イスコ(Isco Alarcon)が得点を記録し、公式戦の連勝を21に伸ばした。

 守備面では前半40分、ラモスが相手FWのマリアノ・パヴォーン(Mariano Pavone)を倒したとしてやや不運なPKを与えたが、守護神のイケル・カシージャス(Iker Casillas)がしっかりコースを読み、ヘラルド・トラード(Gerardo Torrado)の力のないキックを防いだ。

 国際サッカー連盟(FIFA)のジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長、欧州サッカー連盟(UEFA)のミシェル・プラティニ(Michel Platini)会長が観戦するなか、レアルは前半15分に先制した。

 トニ・クロース(Toni Kroos)がFKから正確なキックを放つと、ボールは飛び出しのタイミングを誤ったGKホセ・コロナ(Jose Corona)の頭上を越え、ラモスが力強く頭で合わせた。

 レアルはさらに同36分、ダニエル・カルバハル(Daniel Carvajal)がクロスを上げると、猛烈な勢いで走り込んだベンゼマがDFよりわずかに早くボールに触り、追加点を挙げた。

 そしてレアルの3得点目と4得点目は、クリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)が得点をお膳立てしている。後半5分、左サイドを駆け上がり、フリーでボールを受けたロナウドが完璧なクロスを入れると、ノーマークのベイルが頭で難なく押し込んだ。

 同27分には、ロナウドのパスを受けたイスコが華麗なステップでDF2人を翻弄し、正確なシュートを決めた。

 ボールを持つたびに歓声が沸くFIFAバロンドール(FIFA Ballon d'Or)のロナウドは、試合開始直後に先制点を決めるチャンスがあり、その後も何度か惜しいFKを放ったが、スペイン1部リーグ15節までに25得点をたたき出した決定力をこの日は発揮できなかった。

 一方、ウェスタン・シドニー・ワンダラーズ(Western Sydney Wanderers)を何とか下し、準決勝へ勝ち上がってきたルイス・フェルナンド・テナ(Luis Fernando Tena)監督の率いるクルス・アスルは、カルロ・アンチェロッティ(Carlo Ancelotti)監督がほぼベストメンバー送り出したレアルをほとんど脅かすことができなかった。

 準決勝のもう1試合では、オークランド・シティ(Auckland City FC、ニュージーランド)が16日、南米王者のサン・ロレンソ(San Lorenzo、アルゼンチン)に挑む。

 その試合の勝者が、20日に行われる決勝戦でレアルと対戦する。コロンビア代表として出場したW杯ブラジル大会(2014 World Cup)で、一躍脚光を浴びたレアルのハメス・ロドリゲス(James Rodriguez)も、この日はふくらはぎの張りのため出場を見合わせたが、決勝では戻ってくるとみられる。(c)AFP