【12月16日 AFP】フランス・パリ(Paris)で15日、アメリカ先住民ナバホ(Navajo)やホピ(Hopi)の神聖な儀式で使われる面や道具約250点が競売に掛けられた。競売をめぐっては、先住民の代表団が現地に乗り込み中止を強く訴えていた。

 ホピの神聖な面などがフランスで競売に掛けられたのは、過去2年間で4回目となった。米アリゾナ(Arizona)州の約1万8000人のホピの人々は、宗教儀式のなかでこれらの面を使用する。通常、儀式が部外者に公開されることはない。

 代表団および先住民族の権利保障を訴える国際組織「サバイバル・インターナショナル(Survival International)」の弁護士らは、今回の競売に直接抗議することはしなかったが、落札者と出品者を特定するための訴訟に踏み切ったことを明らかにした。

 一方、ナバホの代表団は、複数の面を1500ユーロ(約22万円)で買い戻すなど別のアプローチを取った。

 ナバホの人々は、米アリゾナ州やニューメキシコ(New Mexico)州、ユタ(Utah)州、コロラド(Colorado)州全域に住み、その人口は約20万人に上る。

 仏競売会社EVEが主催した今回のオークションでは、ホピの面およそ20点が落札されたが、落札者についての詳細は明らかにされなかった。

 同社のアラン・ルロイ(Alain Leroy)氏は競売に先立ち、「面の出品者と落札者の氏名を公表するつもりはない。それは個人情報の領域だ」と語っていた。(c)AFP