一方、共和党は、2011年のビンラディン容疑者の潜伏場所特定につながった連絡役の人物について、拷問なしにCIAがその重要性を知ることはできなかっただろうと主張する。しかし上院の報告書は、その主張は誇張されているとし、この連絡役につながる情報は当時、すでに多く寄せられていたと指摘した。

 2000年~04年までCIA次官を務めたジョン・マクラフリン(John McLaughlin)氏は、米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)に寄稿した意見記事で、報告書の主張を否定。「そのころにはすでに非常に協力的だったハリド・シェイク・モハメドのような幹部らは、連絡役についてわれわれが得た情報について問われると、うそをついた」「これは、彼がビンラディンを守ろうとしていたことを示す劇的な手掛かりだった」と説明している。

 CIAも自らの立場を崩さず、「CIAが強化(尋問)手法を使用せずにビンラディン容疑者の居場所特定につながる同じ情報を収容者から得ることができたかは、今になっては分からない」と主張している。

 CIAの尋問法に対する賛否が噴出する中、意見が二分していない点が一つある。多くの収容者が、CIAを袋小路に陥れることとなった情報をでっちあげたことだ。ハリド・シェイク・モハメド被告は最終的に、ロンドンでのテロ計画について、異なる3つのバージョンを語った。

 ベトナム戦争で捕虜になり拷問されたジョン・マケイン(John McCain)上院議員(共和党)も「拷問の犠牲者は、自分を拘束している者たちが信じると思えば、意図的に誤解を与えるような情報を提供する」と語る。「彼らは、拷問を行っている者が望む言葉を語るだろう。そうすれば苦しみが終わると思えば」(c)AFP/ Ivan Couronne