【12月15日 AFP】スウェーデン軍は13日、同国上空でロシアの軍用機が旅客機と異常接近(ニアミス)し衝突する寸前だった事態があったと発表した。ロシア側はニアミスを否定している。

 スウェーデン軍によると、ニアミスがあったのは12日、同国南部マルメ(Malmoe)の上空で、対岸にあるデンマークのコペンハーゲン国際空港(Copenhagen International Airport)から旅客機が離陸して間もなくだった。

 これを受けて、スウェーデンとデンマーク両国の戦闘機が緊急発進したという。

 スウェーデンのペーテル・フルトクビスト(Peter Hultqvist)国防相はAFPに対し、ロシア軍機は、機体の位置をレーダーに認識させるトランスポンダーを切っていたと話した。

 これに対しロシア国防省は14日、ニアミスがあったとされる日時にロシア軍機が該当空域を飛行していたことは否定しなかったが、旅客機と衝突寸前だったとするスウェーデン軍の報告は否定。ロシア軍機は、旅客機の飛行経路から70キロ離れた安全な距離を飛行していたと主張している。

 バルト海(Baltic Sea)沿岸諸国は、ロシア機による領空への接近や侵犯などを含め、強気な姿勢を見せるロシアへの懸念を募らせている。こうした懸念は、ウクライナ危機でロシアがクリミア(Crimea)半島を自国に編入したことでさらに高まっていた。(c)AFP