【12月10日 AFP】米シリコンバレー(Silicon Valley)の配車サービスのベンチャー企業ウーバー(Uber)が世界各地で問題に直面し、驚異的な成長にブレーキがかかる可能性が出ている。

 これまでもウーバーは既存のタクシー会社から冷ややかなまなざしを向けられていたが、さらにインド・ニューデリー(New Delhi)や米オレゴン(Oregon)州ポートランド(Portland)など、世界各地の規制当局などがウーバーの取り締まりに乗りだした。その上、ウーバーは重役の失言、プライバシーに対する不安などで評判を下げている。

 新たに12億ドル(約1400億円)の出資を受けて企業価値が400億ドル(約4兆8000億円)に達したものの、ウーバーは本拠地のカリフォルニア(California)州においてすら、その進路をふさぐ障害に直面した。

 スペインの裁判所は9日、ウーバーのサービスが公正な競争に関する法令に違反したとして、ウーバーの営業を禁止した。その前日の8日には、ニューデリーでウーバーの運転手が女性客をレイプしたとされる事件を受けて、同市当局が市内でのウーバーの営業を禁止した。さらに、ウーバーはタイで違法となり、ドイツやオランダ、そして6歳の少女が死亡する事故で同サービスの運転手が訴追された米サンフランシスコ(San Francisco)でも規制に直面している。

 また9日には、サンフランシスコ、ロサンゼルス(Los Angeles)両市当局が、料金と身元調査について消費者を欺いたとしてウーバーを正式に提訴した。オランダの裁判所も今週、専門職でない一般の運転手が自家用車を使い、プロのタクシーの半分の料金で営業することは違法であるとの判断を下した。デンマークとノルウェーの当局もウーバーを提訴している。