【12月9日 AFP】(写真追加)欧州からアフリカ最南端までをトラクターで縦断したオランダ人女性で「トラクター・ガール」の異名を持つマノン・オズボート(Manon Ossevoort)さんが9日、今度はトラクターで南極点に到達した。

 オズボートさんは南極大陸の端に位置するロシアのノボ(Novo)基地を出発。16日間をかけて真っ赤なトラクターで約2500キロを横断した。到達直後、衛星電話でAFPの取材に答えたオズボートさんは、平均時速10キロでの険しい氷の塊の上の移動は「ロデオのようだった」と語った。「何時間運転しても、時速0.5キロから5キロまでしか速度があがらなかった日が最悪だった。状況がこれ以上少しでも悪くなれば遠征を中止しなければならないかもと心配だった」という。

 生後10か月の子どもの母親でもあるオズボートさん。復路は、クリスマスまでにオランダの自宅に戻れるよう、出発した基地を目指す。「行きに通ったタイヤの痕が凍って固まっていると思うので、帰りの方が運転は楽だと思う」と述べた。

 オズボートさんは2005年に故郷のオランダの村を出発し、アフリカ最南端のケープタウン(Cape Town)まで4年をかけて縦断した。さらに南極大陸へ渡る予定だったが、遅れが生じたために旅は中断してしまった。今回の南極点到達で10年越しの夢をかなえたことになる。

 またオズボートさんは今回、世界の人々から募集した「夢」が書かれた紙やEメール数千通分のメッセージをデジタル化し、南極点へ運んだ。南極点に巨大な雪だるまを作り、そのおなかの中にメッセージを入れる予定で、80年後に開封してもらう計画だ。(c)AFP/Lawrence BARTLETT