【12月8日 AFP】サウジアラビア内務省は7日、テロリズム関連の容疑で外国人26人を含む135人を逮捕したことを明らかにした。サウジアラビアは米国主導のイスラム教スンニ派(Sunni)過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」に対する空爆に参加しており、報復の可能性が懸念されていた。

 国営サウジ通信(Saudi Press AgencySPA)が伝えた内務省報道官の発表によると、外国人容疑者の大半はシリア人。逮捕の時期は明らかにされていない。

 容疑者のうち40人は紛争地域を訪れて過激派グループに加わり、武器の扱い方の訓練を受けた後に帰国し、サウジアラビア社会のかく乱を計画したとされる。このほか多数が、過激派グループを支援する「資金援助、戦闘員の募集、宣伝、爆発物製造」などに関与していたとされる。

 さらに17人は、サウジでは少数派のイスラム教シーア派(Shiite)が住民の多数を占める東部(Eastern Province)州アワミヤ(Awamiya)で起きた騒乱と武装攻撃との関連が疑われている。

 外国人容疑者26人の内訳は、シリア人16人、イエメン人3人と、エジプト人、レバノン人、アフガニスタン人、エチオピア人、バーレーン人、イラク人、無国籍者がそれぞれ1人とされる。

 サウジアラビアの首都リヤド(Riyadh)では前月末、デンマーク人が何者かに銃撃され負傷する事件が発生。米民間情報機関「SITEインテリジェンス・グループ(SITE Intelligence Group)」によると、先週、銃撃はイスラム国の「支援者」によるものだと主張する動画がイスラム国系メディアにより公開された。

 動画には、イスラム国の最高指導者アブバクル・バグダディ(Abu Bakr al-Baghdadi)師のものとされる声で、サウジアラビアの統治者たちは今後「安全や休息を得られることはないだろう」とのメッセージが吹き込まれていた。

 さらにこの事件から1週間後には、サウジの沿岸都市ダーラン(Dhahran)にあるショッピングモールでカナダ人男性が刺されて負傷する事件があり、サウジアラビア人の容疑者が逮捕されている。(c)AFP/Ian Timberlake