【12月5日 AFP】中国で3000年前に起きた大地震の痕跡を考古学者らが発見したと、国営新華社(Xinhua)通信が4日、報じた。確認されている中では中国最古の地震とみられるという。

 研究チームによると、この地震は現在の河南(Henan)省の一部を直撃し、地震の規模はマグニチュード(M)6.8~7.1だったと推定される。

 地震の痕跡が初めて発見されたのは2005年。北京(Beijing)の水不足を補う送水路計画「南水北調」の工事中に、河南省の村の地中から、ひどく損傷した灰坑や住居、墓が発掘されたのだ。

 炭素年代測定により、紀元前1500年~同1260年の間にこの地域で地震が起きたとみられることが分かった。

 灰坑の中からは人骨も見つかったが、上半身の骨と骨盤と脚の骨が発見された場所は1.5メートルも離れていた。「このような損傷が人力によってもたらされたとは考えられない。地震の衝撃で引き裂かれたのだろう」と、河南省文物考古研究院(Henan Provincial Institute of Cultural Relics and Archaeology)の楚小竜(Chu Xiaolong)研究者は新華社に語っている。

 付近からは損傷を受けていないウシやブタなどの骨も見つかったが、研究チームではこれらの家畜は「地震よけ」の儀式で供物としてささげられたものだとみている。

 中国で初めて地震が記録されたのは紀元前843年とされている。(c)AFP