【12月5日 AFP】米保健当局は4日、今年のインフルエンザの流行期は特に厳しいものになる恐れもあると警告した。

 今季は、米国のほとんどのインフルエンザ患者はインフルエンザA型(H3N2)ウイルスに感染している。米疾病対策センター(US Centers for Disease Control and PreventionCDC)によると、このウイルスは、過去10年で最も死者が多く出た3回の流行期で最も頻繁に見られたもの。

 最も懸念すべきことは、今季に分析されたH3N2型ウイルスの約半数が変異型になっていることだろう。これは現在流行しているウイルスは今季のワクチンの製造に使用されたウイルスにはもはや似ておらず、ワクチンの予防効果に限界があることを意味する。

 とはいえCDCは、ワクチンがウイルスを完全に阻止できなくとも症状の激しさを和らげる可能性はあると強調して、予防接種を受けるのは大切だと強調した。

 今のところ、今季の米国のインフルエンザ発症例はまだ少ない。CDCのトム・フリーデン(Tom Frieden)所長は、「厳しいインフルエンザの季節になると断言するには早すぎるが、米国民は備えておくべきだ」と述べて予防接種を受けるように改めて呼びかけた。

 CDCは、インフルエンザに最も弱い5歳未満の子ども、妊娠中の女性、65歳以上の人たちは特に警戒し、症状が出たらすぐに治療を受けるべきだと強調している。(c)AFP