【12月3日 AFP】痴漢行為を働いたとされる男3人を撃退する様子を捉えた動画が話題となり、その「勇敢さ」が広くたたえられたインドの姉妹が、別の男性を殴りつける場面を捉えた2つ目の動画が2日に公開された。ソーシャルメディア上では、姉妹が本当に嫌がらせに対して暴力で応戦していたのかどうかを疑う声が多数投稿されている。

 アルティ・クマール(Arti Kumar)さん(22)とプージャ・クマール(Pooja Kumar)さん(19)姉妹に対しては、バスの車内で痴漢をしたという3人の男らに「反撃」する場面を写した最初の動画によって、1日には数々の称賛の言葉や、地元州首相からそれぞれ3万1000ルピー(約5万9000円)の報奨金が贈られた。だが、翌日に公開された動画では、姉妹が公園で別の男性を殴り付ける姿が写されていた。

 姉妹はこの動画の中で、男性を繰り返し平手でたたき、蹴り、シャツを引っ張るなどしている。撮影場所は、首都ニューデリー(New Delhi)から3時間かからない場所にあるロータク(Rohtak)市内の公園とされる。

 ツイッター(Twitter)のあるユーザーは、「同じロータクの姉妹が、別の男たちを殴っている。殴る様子は写されているが、痴漢されている様子は写されていない」と投稿した。

 姉妹はこの映像に捉えられたのは10月の出来事であり、言葉による嫌がらせを受けたのがきっかけだったと説明。妹のプージャさんはインドのニュース専門チャンネルNDTVに対し、「皆が私たちを勇敢だと言ってくれた。彼らは、嫌がらせに対する私たちの抗議が(バスに同乗した)男たちに対してだけのものだとでも思ったのでしょうか」「私たちは男たちからの嫌がらせに対し、常に強い態度を保ってきた。いつ、どこで起きたことであっても、男たちが罰を免れるのは許さずにきた」と語っている。

 だが、この言葉はソーシャルメディア上で人々を完全に納得させるまでに至っていない。ツイッター上では「#RohtakSisters」(ロータクの姉妹)のハッシュタグと共に、「#RohtakSistersについての新しいバージョンの話によると、悪いのは姉妹で、男性たちは自己防衛しているだけだったという」「#RohtakSisters事件については違った見方がたくさんある。たくさんの偏見もある…本当のことは分からない」などのコメントが寄せられている。(c)AFP