【12月2日 AFP】日中両国は1日、第2次世界大戦(World War II)中に旧日本軍が中国に遺棄した化学兵器の廃棄処理作業を、中国北東部の吉林(Jilin)省ハルバ嶺(Harbaling)に日本が建設した施設で開始した。施設では両国の職員が作業している。

 内閣府によると、中国には約30万~40万発の化学兵器が残存していると推定されている。両国政府は1999年に「遺棄化学兵器の廃棄のため、すべての必要な資金、技術、専門家、施設およびその他の資源」を日本側が提供するとした覚書に署名。当初は2007年までに作業を完了する計画だったが、12年まで延長され、そこからさらにずれ込んだ。現在は2022年の廃棄完了を目標としている。

 内閣府遺棄化学兵器処理担当室によると、これまでに約5万発の化学砲弾などを発掘・回収しているという。中国・京華時報(Beijing Times)は1日、日本の歴史学者・吉見義明(Yoshiaki Yoshimi)氏を引用し、1931~45年の間に旧日本軍は750万発の兵器を製造するために有毒ガス7300トン超を用いたと報じている。(c)AFP