【12月2日 AFP】メキシコの首都メキシコ市(Mexico City)で1日、43人の学生が拉致され殺害されたとみられている事件に抗議し、当初穏やかに行進していたデモが暴徒化した。

 数千人の参加者は日中、エンリケ・ペニャニエト(Enrique Pena Nieto)大統領の辞任を要求するスローガンを叫び、黒く塗ったメキシコ国旗を掲げ、学生失踪に対する怒りをほとばしらせながら、メキシコ市の中央通りを行進していた。日が暮れると観光客に人気のあるレフォルマ大通り(Reforma Boulevard)で、覆面をしバットを持った一部の参加者が、銀行に火炎瓶を投げつけたり店のショーウィンドーを割ったりし始め、議会を警護していた機動隊数百人が鎮圧のために消火器を使って応酬した。

 一方、麻薬組織の一員が、地元警察から麻薬組織に引き渡された教員養成大学の学生43人を殺害したと自供した南部ゲレロ(Guerrero)州でも、数千人を超える抗議デモが行われた。

 ペニャニエト大統領は、全国各地の腐敗した地方警察組織を解体し、犯罪組織が浸透している都市の警察業務を連邦警察が引き継げるようにする改憲案を議会へ提出したと発表した。しかし、就任2年目となる同大統領の支持率はさらに下がっている。(c)AFP/Carola SOLÉ