【11月28日 AFP】香港の民主派デモが今週、強制排除された際に警官隊とのもみ合いの中で逮捕された学生リーダーの1人、ジョシュア・ウォン(Joshua Wong、黄之鋒)さん(18)が27日、衝突の現場でデモの一大拠点だった旺角(モンコック、Mongkok)地区への立ち入りを禁止された。

 香港市内には民主派によるデモの大きな拠点が3か所あったが、当局は今週初め、そのうちの一つである旺角地区から、デモの参加者らが設置したバリケードやテントを撤去し、市の一部機能を2か月近くにわたってまひさせてきた抗議運動に大きな痛手を与えた。

 この強制排除の際に約150人が逮捕・勾留されたが、このうち公務執行妨害の容疑で拘束された学生リーダーのウォンさんは保釈条件として、旺角地区への立ち入りを2か月間禁じられた。

 ウォンさんの弁護人マイケル・ビドラー(Michael Vidler)氏は、九龍市治安判事裁判所(Kowloon City Magistrates' Court)に対し「この起訴の動機は政治的なものだ」と主張した。民主化デモの行方をめぐり香港市内の緊張が高まる中、裁判所の外では、報道陣に答えて去ろうとしたウォンさんとビドラー氏の双方に生卵が投げつけられる一幕もあった。

 香港の民主派は、完全な自由選挙による次期行政長官選挙の実施を求め、約2か月にわたり香港市内の各所で野営による占拠を続けてきた。旺角地区の大通りは警官隊とデモ隊の2日間の衝突を経て26日、再開通した。(c)AFP