【11月28日 AFP】ボクシングの世界王者マニー・パッキャオ(Manny Pacquiao)が27日、隣人から訪問客の服装がみすぼらしいと苦情を受けたため、フィリピンの首都マニラ(Manila)にある高級住宅街の一角に所有しているマンションを売却するつもりであることを明らかにした。

 パッキャオはAFPに対し、「庶民の男」として、たとえ訪問者の服装が「シャツとサンダルだけ」でも気にしないと述べた。

 故郷で貧しい行商人していたパッキャオは、ボクサーとして前人未到の8階級を制覇し、世界王者まで上り詰めるという大出世を成し遂げ、フィリピンでは絶大な人気を誇っている。

 2010年にボクサーとしての名声を生かして国会議員になったパッキャオには、同国の裕福な政治家と同じように、寄付や援助を求める有権者と頻繁に面会している。

 そのため、パッキャオは主に金銭援助を求めてくる訪問客をもっと受け入れられる新しい家を購入するつもりだと明かした。

 2011年に4億ペソ(約10億5000万円)で購入したマンションについて、パッキャオは、「買いたいという人がいれば売るつもりだ」と述べ、売却で改築費用分の利益を得たいとつけ加えた。

 35歳のパッキャオは、隣人に謝罪したものの、貧しい訪問客を受け入れることにある程度の理解を求め、「私はここの住人のように裕福かもしれないが、生活スタイルや気持ちは昔と変わっていない。これからも素朴な自分を変える気はまったくない」と語った。

 この3階建てのマンションは、裕福な高齢者が住んでいる地域に建てられており、間取りは寝室が5個、応接室兼ダイニングルームが数個、そして仕事場が1つとなっている。

 パッキャオはまた、高級車数台を持っており、フィリピン南部にある故郷のマンションには、グローブの形をしたプールがある。

 23日に行われたWBO世界ウエルター級タイトルマッチで、パッキャオはクリス・アルギエリ(Chris Algieri、米国)から勝利を収めており、宿敵フロイド・メイウェザー・ジュニア(Floyd Mayweather Jr.、米国)と対戦できる実力が健在であることをファンに示していた。(c)AFP