【11月27日 AFP】米オハイオ(Ohio)州クリーブランド(Cleveland)で、模造銃を持っていた12歳の黒人少年に警察官が発砲し少年が死亡した事件で、警察官はパトカーで現場に到着して数秒のうちに発砲していたことが、26日公開された現場の防犯カメラの映像から明らかになった。

 タミル・ライス(Tamir Rice)君は22日、市内の公園で遊んでいた際、通報を受けて駆け付けた警察官2人に撃たれ、搬送先の病院で翌23日に死亡した。

 公開された防犯カメラの映像には、模造銃を手に歩道を歩くライス君の姿が映っている。ライス君はある時点で模造銃を通りがかった人に向け、その後、公園内のあずまやのベンチに座った。そこへ1台のパトカーがやってきて急停止し、助手席から警察官1人が銃を抜きながら出てきた直後、パトカーに近寄ろうとしたライス君に発砲した。

 クリーブランド市警察当局は、この短時間に警察官が「3回、手を上げろと命じた」にもかかわらずライス君が従わず、腰のあたりに手を伸ばしたため撃ったと説明している。

 また、警察は事件の発端となった通報の音声記録も公開した。記録によれば、未成年とおぼしき人物がおもちゃと思われる銃を持っていると男性の声で通報があった。この男性は「拳銃を持った男がいる」「たぶん模造銃だと思うが、誰彼かまわず銃口を向けている」と述べている。

 しかし、警察官に無線で連絡をした担当者は、銃がおもちゃである可能性や、相手が未成年の可能性については説明しなかったことが音声記録から明らかになった。

 クリーブランド市警察当局によると、ライス君を撃ったのは26歳の白人警察官だという。(c)AFP/Afi Scruggs