【11月27日 AFP】中国で家庭内暴力(ドメスティックバイオレンス、DV)を禁止する初の法案が起草された。中国では長年、虐待行為は家庭内の問題として軽視されてきており、活動家らは新法案を歓迎している。

 新法は初めて正式にDVを規定し、接近禁止命令を得る手続きの簡素化など、反DV団体が長い間求めていた措置を含む内容となる。

 北京紅楓女性心理カウンセリングセンター(Maple Women's Psychological Counselling Center Beijing)の侯志明(Hou Zhiming)主任は、「ようやくこの法律制定への動きが始まった」と語った。

 ただ、中国国務院法制弁公室(Legislative Affairs Office of the State Council)が25日に公開した法案の内容には、未婚のカップルや離婚したカップルが対象から外されているなど、いくつかの不十分な点があることも指摘されている。

 中国ではつい十数年前まで、肉体的虐待は離婚原因として認められてさえいなかった。2001年に改正された婚姻法により、初めてDVの禁止が明示された。

 だが、同法はDVの法的な定義を欠き、被害者たちの多くはたとえ訴え出ても、警察から女性団体、地域組織などにたらい回しにされ、公的機関は被害者が重傷を負っていないかぎり介入に消極的だった。

 中華全国婦女連合会(All China Women's Federation)の集計を引用した国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)の26日の報道によると、中国の既婚女性または恋愛関係にある女性の4割近くが肉体的または性的暴力を経験している。(c)AFP/Felicia SONMEZ