【11月25日 AFP】北アフリカのモロッコ南部を3日間にわたり襲った暴風雨に伴う洪水で、当局によると24日までに少なくとも32人が死亡した。地元住民は数十年ぶりの豪雨だと語っている。

 22日から降り続いた雨に伴い、アンティアトラス山脈(Anti-Atlas Mountains)の山麓では複数の鉄砲水が発生。内務省によると、これまでに32人が死亡、6人が行方不明となっている。

 マグレブ・アラブ通信(MAP)が伝えた内務省の発表では、23日から車両130台とボート335隻を動員した行方不明者の捜索活動が行われている。救助隊はこれまでに214人をヘリコプターなどで救出。被災地では日干しれんが造りの家100軒余りが洪水で破壊され、道路100本が寸断されるなど大きな被害が出ている。

 ワルザザート(Ouarzazate)の観光当局によれば、フランス人を中心とした200人ほどの観光客が孤立し、救出のため23日夜にチャーター機2機を手配したという。

 モロッコでは鉄砲水は珍しくなく、9月にもワルザザート近郊で子供4人が溺れている。当局は、マラケシュ(Marrakesh)南部に広がる観光客に人気の山間部で洪水警戒システムを強化したばかりだった。(c)AFP