【11月22日 AFP】韓国の裁判所は21日、入院していた高齢者向け病院内で放火し、22人を死亡させたとして、82歳の認知症の男に禁錮20年の実刑判決を下した。

 光州(Gwangju)地裁の報道官はAFPの取材に対し、被告の覚醒状態の低下を認めながらも、自分の行為の結果を理解できないほど思考力が損なわれているわけではないと判断したと述べた。

 韓国南西部・全羅南道(South Jeolla Province)長城(Janseong)郡の高齢者向け病院には「キム」という名字だけが公表されている被告も含めた約70人が入院し、多くが寝たきりや介助が必要な状態だった。火災は5月27日に2階部分で発生し、脳卒中の後遺症を抱える人やアルツハイマー病の患者らが閉じ込められた。30分以内に消火されたが、上層階は濃い煙が充満し、大勢が逃げ切れなかった。

 出火場所となった収納室に被告が入っていく場面が監視カメラに写っていたことから、被告は同日警察に拘束され、放火と故殺の罪で起訴されていた。(c)AFP