【11月21日 AFP】中国の李克強(Li Keqiang)首相は20日、世界のインターネットを形作る上で中国がより大きな役割を果たす必要があると述べ、ネット上には「秩序」が必要だと訴えた。一方、政治的に微妙な問題に対して中国当局が行っているネット検閲については、言及を避けた。

 李首相は「世界インターネット会議(World Internet Conference)」が開催されている東部浙江(Zhejiang)省杭州(Hangzhou)の烏鎮(Wuzhen)を訪れ、中国のIT企業トップや外国企業、業界団体の代表らと面会。その際、米チップメーカーのクアルコム(Qualcomm)やビジネス特化型SNS最大手リンクトイン(LinkedIn)の代表団に向け、次のように主張した。

「われわれは開かれ、透明性がある、何よりも安全なインターネットの存在を信じている」「そのためには、インターネットは関与する全ての者によって平等に共有され、統治されたものでなくてはならない」

 さらに、首相は中国経済をけん引する存在として電子商取引の利点を認める一方で、野放し状態のインターネットには「秩序」が必要だと強調。「秩序を欠いた状態では、インターネットは安全で信頼し得るものにはならない」と述べた。

 李首相の烏鎮訪問は、世界インターネット会議の認知度向上が目的とみられる。(c)AFP