【11月18日 AFP】(写真追加、一部更新)香港(Hong Kong)当局は18日、金鐘(アドミラルティ、Admiralty)地区の行政府庁舎前で、民主的な行政長官選挙を求めているデモ隊が設置していたバリケードの一部を撤去した。

 行政府庁舎前の向かいにある33階建てのオフィスビル、中信大廈(CITIC Tower)の区画への通行を妨げていた金属製のバリケードを作業員らが撤去した。合わせて数十人の警察官と執行人が警戒に当たり、デモ参加者らによる抵抗はなかった。

 撤去はビルの所有者らが勝ち取った裁判所による占拠禁止命令に基づくもの。裁判所の命令はビルを取り囲む範囲に限定して出されており、デモ隊は今も幹線道路のかなり長い区画を占拠している。作業員らが近くの環状交差点(ラウンドアバウト)からもフェンスを撤去すると、デモ隊から裁判所命令に含まれていない場所だとして抗議する声が上がった。

 デモ隊は今年9月28日から香港の3か所で占拠を続けている。裁判所は、占拠場所の縮小を求める民間の企業や団体の訴えを認めて合わせて3件の占拠禁止命令を出しており、18日の撤去はそのうち最初の命令に基づいて行われた。

 バス会社とタクシー運転手の団体も、占拠による交通の混乱で事業に大きな打撃を受けたとして、合わせて2件の同様の占拠禁止命令を出すよう裁判所に求めている。(c)AFP