【11月18日 AFP】富裕層が嫌う清掃作業などから綿花摘みや大麻の栽培、売春、戦闘への参加まで、さまざまなことを強要される「現代の奴隷」人口は世界で約3580万人に上るとする報告書を17日、奴隷状態の撲滅を目指す団体「ウオークフリー・ファウンデーション(Walk Free FoundationWFF)」が発表した。

 オーストラリアに本部を置くWFFが発表した年次報告書「グローバル・スレイバリー・インデックス2014(Global Slavery IndexGSI)」によると、調査方法を見直した結果、全世界で「奴隷」状態にある人の数は、当初考えられていたよりも約20%多いと言う。国別では推計1429万人のインドが最も多かった。

 WFFが定義する「現代の奴隷」には、借金による束縛や結婚の強要、子どもの取引や搾取の他、人身売買や強制労働といった従来の奴隷制度に通じるものも含まれている。また、世界167か国を対象に行われたこの調査では、少なくとも58か国で122種類の商品がこれらの人々によって製造されていることも明らかになった。

 国際労働機関(ILO)の推計によると、こうした強制労働から生まれる利益は、年間1500億ドル(約17兆5000億円)に上るという。(c)AFP/Fran BLANDY