【11月17日 AFP】ウクライナ東部で今年7月に撃墜され298人が死亡したマレーシア航空(Malaysia Airlines)MH17便の残骸の回収作業が16日、ようやく開始された。残骸はオランダに運ばれる。

 同地を掌握する親露派が一方的に樹立を宣言した「ドネツク人民共和国(Donetsk People's Republic)」の作業チームが、グラボベ(Grabove)村に近い墜落現場で、オランダの専門家らの監督を受けながらメタルソーを使って残骸を切断し、複数のトラックに積み込んだ。

 現場で取材したAFP記者によると、エンジン、キャビン、座席1個がボーイング(Boeing)777型機の黒焦げの残骸の中ではっきりと確認できたという。

 同機撃墜事件の調査を主導しているオランダ安全委員会(OVV)は声明で「本日、MH17便の残骸の一部が初めて収集された」と明らかにした。

 収集されたMH17便の残骸はいったんウクライナ政府支配下の都市ハリコフ(Kharkiv)に運ばれた後、オランダに空輸される予定。

 反政府派当局者によると、ドネツクの非常事態省の約15人の作業チームは10日間で作業を終えることを希望しており、まず胴体の一番大きな部分の回収を進めるという。チームは作業が困難になる厳しい冬の到来前に、回収を完了させようと急いでいる。(c)AFP/Clement Zampa