【11月14日 AFP】米紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street JournalWSJ)は13日、米当局が犯罪者を捜索する最先端の監視プログラムの一環として、小型機を使って上空から一般市民の携帯電話データを収集していると報じた。

 WSJ紙によると米連邦保安官局(US Marshals ServiceUSMS)は、携帯電話の基地局が送信する信号を装った信号を発信する「ダートボックス(dirtbox)」と呼ばれる装置を搭載した小型機を、少なくとも5機運用している。この信号に携帯電話のシステムが惑わされ、各電話機に固有の識別番号とだいたいの位置が把握できるという。

「ダートボックス」の名称は、米航空宇宙機器大手ボーイング(Boeing)の子会社でこの装置を製造したデジタル・リカバリー・テクノロジー(Digital Recovery Technology)社の頭文字から取られているという。

 WSJ紙は、この監視プログラムに詳しい匿名筋の情報として、小型機の運用範囲には米国内の住民の大半が含まれると伝えている。飛行計画の詳細は明らかにされなかったが、小型機は定期的に発進しており、1回の飛行につき数万件の携帯電話データを収集しているという。

 WSJ紙によれば、米司法省(US Justice Department)はこの件について、傘下の情報機関の監視プログラムは合法的なものだと答えるにとどまっている。(c)AFP