【11月17日 AFP】国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)によれば、児童労働がまん延するアフガニスタンでは、7~14歳までの少女の約17%が家庭外労働か、終日、家事の中心的な担い手として働いている。

 同国西部ヘラート(Herat)で暮らすファティマさん(8)も、児童労働を強いられている少女の一人だ。障害のある父親や他の家族を養うのに必要な生活費を稼ぐため、学校の外で遊ぶ同世代の少女たちにアイスクリームを売って生計を立てている。ファティマさんも、にぎやかで楽しそうな自分のお客たちと同じように、学校へ通いたいと切望している。だが家族の中でただ一人、彼女だけが定収入を得ることができる働き手なのだ。

 ファティマさんの家族は父親とその2人の妻、6人の娘たちの9人家族。2部屋だけの粗末な借家に暮らしている。家の中にはベッド1つとわずかな家財品しかない。

 朝の7時から夕方の4時まで働くファティマさんの長い一日は、卸売業者からアイスクリームが入ったクーラーボックスを受け取るところから始まる。その後、クーラーボックスを載せた荷車を押しながら、でこぼこと路面が荒れている市内の路地を回る。

 ファティマさんはAFPの取材に対し「たった一つだけの一番大きな夢は、もう働かないで、他の子と同じように学校に行って勉強ができるくらい、お金を手に入れること」と話す。「この学校の前でアイスクリームを売りながら、学校の中に入っていく女の子を見ると皆、笑っていて幸せそう。私も本当に学校へ行けたらなと思う」

 ファティマさんの稼ぎは1日わずか数ドル。そのすべてを家族の生活費に充てている。食事は野菜と米、パンといたって質素だ。父親のアブ・ザヒルさんは4年前、隣国イランでの出稼ぎ中に脊椎を痛めて両足がまひし、現在は車いすでの生活を送っている。体調が良い日には娘を手伝おうと、携帯電話のプリペイドカードを売る。ファティマさんは家に帰ると父親をベッドから車いすになんとか移し、なえた足に添え木を取り付けて足を洗ったり、マッサージしたりする。まだ幼い子どもにとっては重労働だ。

「アイスクリームを食べる余裕もないの。好きなんだけどね」と話すファティマさんは「貧乏でいるのは嫌」と言った。(c)AFP