【11月10日 AFP】ロシアで先週、女性2人が同国で初めてとみられる「同性婚」をしたことが分かった。性的少数者を支援する活動家らが9日、AFPに明らかにした。

 ロシアでは、同性婚は法律で禁じられている。サンクトペテルブルク(Saint-Petersburg)のLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)支援団体「ビホト(Vykhod)」のアンナ・アニシモワ(Anna Anisimova)氏によると、カップルの片方は男性として生まれたが、現在はトランスジェンダーとしてホルモン治療を受けている。

 同氏は「書類上の性は男性であるため、女性2人による公式な(結婚)登録が可能となった」「公式には男女間の結婚となるが、事実上は女性同士の結婚だ」と語った。同氏によると、LGBTの結婚はロシアで初めて。2人とも白いウエディングドレスを着て挙式したという。

 ネット上には、ウエディングドレス姿にブーケを手にした金髪とブルネットのカップルが登記所でにこやかに結婚届に署名している写真が投稿された。

 登記所の職員らは、2人の結婚を阻止しなかったが、サンクトペテルブルク市議会議員のビタリー・ミロノフ(Vitaliy Milonov)氏は異議を唱える構えで、AFPの取材に対し「ロシアの家族に対する侮辱だ。この結婚の無効を求めていく」と息巻いた。

 ミロノフ氏は、ロシアで施行され物議を呼んだ「同性愛のプロパガンダ(宣伝)」禁止法の成立に向け最も精力的にロビー活動を行っていた人物だ。2013年に成立した同法は、同性愛に関する情報を未成年者に提供することを禁じる内容で、国際連合(UN)が非難しているほか、当事者からは、同性愛を事実上犯罪化するものだとの声が上がっている。(c)AFP